研究課題/領域番号 |
26889021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 健太郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50737088)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 津波被害 / 高台移転 / 復興地 / 災害復興 |
研究実績の概要 |
三陸沿岸集落は、近代以降の大きな津波災害に限定しても明治三陸津波(1896(明治29)年)、昭和三陸津波(1933(昭和8)年)、チリ地震津波(1960(昭和35)年)そして東日本大震災(2011(平成23)年)と4度の津波災害を受けた津波常襲地域である。なかでも昭和三陸津波後の復興過程においては、国から国庫補助および低利融資を受け岩手県内で44集落において高所移転事業をはじめとした復興事業が実施され、それらは現在でも「復興地」等と呼ばれるなどその後の集落形成に大きな影響を与えたと考えられるが、その実態はほとんど明らかになっていない。そして、それら「復興地」における東日本大震災による被害については、完全に被害を免れた集落から被害を受け完全に流出してしまった集落まで集落ごとに被害程度の大きな差が見受けられる。 岩手県内において、内務省の支援を受けて昭和三陸津波後に計画された44の復興地につき、地図資料や文献資料に基づき基礎的な情報を収集するとともに、計画が実現したかどうかを確認した。さらに、計画が実現したものについては、概ね計画地場所を特定した。 また、大船渡市綾里地区の石浜・田浜集落を対象とし、土地台帳の分析による昭和三陸津波前後における土地所有の変遷や、昭和三陸津波後の復興の様子を知る住民を対象としたインタビュー調査、高所移転後の住宅が残存している場合にはその実測調査等を実施することで、昭和三陸津波後の復興過程をより詳細に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予算の繰り越しがあったが、繰り越した分の現地調査も実施することができ、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
計画に沿って今後も研究を推進していく予定である。 本年度調査のおいては、復興地の整備を実施したかどうか判明しなかった集落、および場所を特定できなかった復興地につき、旧土地台帳および付属地図の分析により明らかにする。 また、大船渡市綾里地区の港・岩崎集落(予定)を対象とし、土地台帳の分析による昭和三陸津波前後における土地所有の変遷や、昭和三陸津波後の復興の様子を知る住民を対象としたインタビュー調査、高所移転後の住宅が残存している場合にはその実測調査等を実施することで、昭和三陸津波後の復興過程をより詳細に明らかにする。
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