ゼオライトの性能を決定する代表的な因子は、構造・組成・原子位置である。本研究では、計算機を用いて4万種類以上のモデルを生成・評価することで、3因子の組み合せを広い範囲で検討した。結果、ある結晶構造には特有の安定な組成や原子位置が存在するとわかり、驚くべきことに実験結果と符合した。
ゼオライト合成には、有機構造規定剤が用いられる。本研究では、有機構造規定剤の設計に着目し、計算機支援による無機多孔質材料の設計的合成の第一歩として、非常に珍しい、1.3-2 nm程度の細孔径を有する高比表面積シリカ多孔質材料を合成した。得られた材料は設計通りの細孔径を持ち、シリカ系材料として最大級の比表面積を示した。
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