本研究はMgの核とPdの外殻からなるコアシェル構造を有するナノ粒子(Pd/Mgナノ粒子)の作製を目的として行なわれた。Pd/Mgナノ粒子の作製にはガス中蒸発法を用い、ナノ粒子作製装置を2段に連結させることでMgコアとPdシェルの形成を試みたが、PdがMgナノ粒子表面上でナノ粒子状になってしまい、MgコアをPdシェルで完全に被覆することは達成できなかった。しかし、このナノ粒子材料の水素吸蔵量を調べたところ、9割近くのMg原子が水素化されており、既往の結果をしのぐ性能が得られた。X線を用いた化学状態分析の結果、Pdナノ粒子とMgナノ粒子の間では金属間化合物が形成されていることが明らかとなった。
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