現在の研究プロジェクトは効果的なCO2分離二重膜の開発に専念した。二重膜には支持層としてポリジメチルシロキサンを、またガス分離層として二酸化チタンを架橋したフタル酸を用い、その結果、CO2および窒素ガスについての高選択的な分離性能を実証した。 ガス分離のメカニズムは、フタル酸に大きく占めるカルボキシル基に起因し、その材料選択は理論計算(密度汎関数理論)を用いて決定した。この計算によると、フタル酸/二酸化チタンの複合層におけるCO2親和サイトを創りだすことに成功している。これらの部位は窒素に比べてCO2ガスの高い親和性を有す。これを基に私たちは分子レベルの特性を材料特性に発展させることができた。
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