今後の研究の推進方策 |
27年度には26年度のシミュレーションによる検討で得られたシステムの実機検証を行う。実機検証の位置づけは理論の実証が最終目標であるが、エネルギー回生のための条件や提案システムの物理的制約を抽出する目的もある。そのため実機検証の後にシミュレーションによる検討を計画に加えている。今後の計画は以下の通りである。 ①実機作成:26年度のシミュレーションにより得られた知見をもとに、実験機材の選定および実機の作成を行う。制御に用いる観測値を得るために変位計と加速度計を設置する。エネルギーの観測についてはモータの電圧と電流の測定結果よりエネルギー値を得る(あるいは電力計を使用)。ただし、ここで観測するエネルギーとはモータ駆動に関するものであり、制御システム全体の消費エネルギーを示しているわけではない。実験装置(構造部材、モータやリニアスライダ等の制御装置、センサー類)に関する費用を27年度には計上している。 ②検証:検証実験を行い、所望の性能が得られるかを確認する。外乱等の影響で所望の性能が得られない場合は、当初計画していたエネルギー最適制御(福島:制御対象のエネルギ収支に着目した機械力学系の最適制御,日本機械学会論文集C編,Vol. 72, No. 722, pp. 3106-3114, 2006等)を外乱等に対するロバスト性を有する手法に拡張することや、制御パラメータの再チューニング等による対応を考える。また、その他の要因として制御理論に不足していた点を明らかにする。 ③制御理論の再構築:②の検証による知見を活かし、制御理論の再検討を行う。(なお②③のステップは繰り返し検討する。) 研究成果の公開のため、学術論文誌への投稿、国内学会・シンポジウム発表、国際会議発表を積極的に行う。
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