前年度にPSP色素としてPtTFPP,TSP色素としてZnS-AgInS2 (ZAIS)ナノ粒子を用いた配列型PSP・TSPセンサのサンプルを用いて位置補正を行ったところ,大まかに補正はできたが,完全には一致しなかった.そこで,各ドットのエッジの抽出などを行えるように,さらに位置補正に用いる変換行列をマーカー3つの位置情報から計算するアフィン変換から,マーカー4つの位置情報から計算する写像変換に変更するようにプログラムを書き直した.これらにより前年よりも位置補正精度が改善した. 実際の圧力場の計測を行うため,ノズルと3点の圧力孔(圧力センサ)からなる噴流装置を作製した.この噴流装置によりセンササンプル上に圧力分布と温度分布を同時に生じさせる.撮影したPSP画像の参照画像と通風画像の位置を合わせ,PSPドット間の発光強度を補間したPSPの発光強度比画像の補間画像を算出した.TSP画像についても同様に,TSPの発光強度比画像の補間画像を算出した.ここでPSP画像とTSP画像は別々の2台のカメラで取得したため,PSP画像とTSP画像間の位置も異なっているが,PSP補間画像とTSP補間画像の位置合わせを行うことでPSP補間画像とTSP補間画像の位置は補正できた.ただその後温度補正を行ったが,圧力及び温度の定量的な計測は実現できなかった.今後サンプル自体の静的特性などの再確認を行い,その後再度噴流試験において補正後のPSP計測の結果と圧力センサの結果とが一致するかを調査する.
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