金属組織の三次元構造は,その材料特性と深く結びついており,効率的な観察技術が求められる.本研究では,金属組織の全自動三次元観察を行なうため,精密切削とエッチング手法を用いたシリアルセクショニングによる全自動三次元観察システムを構築し,鉄鋼試料に対してマイクロメートル以下の分解能での三次元観察を実現した.さらに,得られた三次元画像データに対して,画像処理を用いた鉄鋼組織の三次元形状定量化を実施し,結晶の凹凸等の形状情報の定量化を行なった.これらの取り組みにより,鉄鋼の三次元組織形状の計測から形状の定量評価に至る一連の枠組みを示すことができた.
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