多量の熱空孔を内包するとされるFe-Al合金を主な研究対象とし、高温から焼き入れした試料のミクロ組織観察および電子線ホログラフィーによる空孔濃度偏析の可視化を試みた。その結果、ある組成域においては従来の相平衡では説明できないミクロ組織の存在が確認されたが、空孔量の変化に伴う内部ポテンシャルの変化は有意には認められなかった。これは空孔量そのものが非常にわずかであるために検出精度限界以下の内部電位差であった、もしくは観察中に電子線によるノックアウトや経時減衰により内在空孔量が減ってしまったためと考えられる。
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