1.Landsat衛星画像を用いた全球高解像度水面マスクを論文とWebで発表した。 前年度に開発した全球高解像度の水面マスク(G3WBM: Global 3-sec Water Body Map)の解析が終了し、開発手法と解析結果を学術論文としてまとめてRemote Sensing of Environment紙で発表した。また、開発したデータを専用のWebPageで公開した。複数時間のLandsat画像を用いて全球規模で水面存在頻度を計算した水面マスクは世界初のプロダクトであり、AGU Fall Meetingで招待講演を行ったほか、データ公開から約1年で25の研究機関からデータ提供要請を受けるなど、大きな注目を集めた。 また、開発したアルゴリズムはほぼ全自動化されているため、Landsat衛星画像の分解能である1sec (約30m)での水面マップ作成も可能である。初年度は計算機資源の制約から3sec(約90m)に解像度を落として計算を行ったが、今年度は計算機資源を強化して1sec解像度でのマップ作成を試みた。1sec解像度の水面マップの計算はほぼ完了し、論文を準備中である。
2.全球標高データの補正作業を開始した。 当初計画では全球河道深さデータの整備に着手する計画であったが、河道深さの推定に用いる全球標高データの精度が十分でないことが分かった。そこで、標高データに含まれる多様な誤差を除去するために、ICESatレーザー高度計を用いた標高データの誤差補正手法の開発に着手した。初期の標高補正の結果について国内のシンポジウムで発表し、さらなる精度向上の可能性について議論を行った。
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