脳におけるゆっくりとした神経活動の律動(infra-slow oscillation、周期0.1Hz 以下)についてその起源と性質についてはまだ良く分かっていない。今回、私はラットの脳表面から内在性信号を検出する技術を用いて、その律動に相当する大脳活動を光学的に観察することに成功した。その振動は波を随っており脳表の前後軸方向をゆっくり(4mm/秒)と伝播していた。重要なことに、視覚と体性感覚の両方の刺激をラットに与えるとarea RL と呼ばれる感覚連合野で内在性信号の増加を認めることが出来た。これらの事から内在性信号の観察は脳における異種感覚統合と律動を調べる上で大変有用である事が示された。
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