本研究ではヒト膵癌細胞株PANC-1より低血清耐性株PANC-1/Stvおよび低酸素耐性株PANC-1/Hypを樹立し、HSP72と結合するタンパク質を解析することでゲムシタビンの自然耐性に関与する分子を探索した。ゲムシタビン獲得耐性株であるPANC-1/GEMはゲムシタビンの不活化により耐性を獲得したが、PANC-1/StvおよびPANC-1/Hyp細胞は既知の耐性因子の発現は変化せず、PANC-1/GEM細胞とは異なる機構で耐性を獲得していると考えられた。そこで、PANC-1/GEM細胞のHSP72結合タンパク質群と比較し、ゲムシタビン自然耐性株にのみ共通する37のタンパク質を同定した。
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