外来性PAI-1は、骨髄ニッチからSDF-1a、G-CSFやTGF-b等のケモカイン産生を制御する。一方、内在性PAI-1はHSC自身のFurin活性とMT1-MMP活性の両方を負に制御し、HSCの運動性を抑制している。内在性PAI-1は定常状態におけるTGF-bによるHSCの運動性の制御に重要な役割を果たしていることを明確にした。また、白血病細胞において、PAI-1の抑制がMT1-MMP発現を亢進し、抗がん剤に対する感受性が亢進することからMT1-MMPが重要な役割を果たしていることが明確にした。これらの結果から内在性PAI-1活性の抑制がLSCの運動性を制御することを示唆した。
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