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2014 年度 実績報告書

水棲カメムシ類の遺伝的構造から探るホットスポット日本の生物相形成プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 26891010
研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 智也  信州大学, 先鋭領域融合研究群山岳科学研究所, 研究員 (30739503)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワードタイコウチ科 / Back dispersal
研究実績の概要

日本列島は世界レベルでの生物多様性のホットスポットである。そのため、生物地理学的研究は長年注目されてきており、たいへん興味深い研究も多い。その一方、特定の海峡による種 (集団) 分化や南西諸島を対象とした研究など地域が限定された、もしくは何らかの地史イベントに限定された研究も多いと言える。そこで本研究は、東アジア産タイコウチ科昆虫類に注目し、タイコウチ・ヒメタイコウチ・ミズカマキリ・ヒメミズカマキリの4種を中心に日本列島および大陸 (朝鮮半島) でのサンプリングを行い、ミトコンドリア遺伝子 COI 領域、核遺伝子 Histone H3 および 28S rRNA 領域の遺伝子解析を実施した。その結果、遺伝子解析を実施したタイコウチ科昆虫類のうち、タイコウチ・ミズカマキリ・ヒメミズカマキリの3種で日本列島から大陸へ移動分散 (back dispersal) した可能性を示唆するデータが得られた。“Back dispersal” はこれまで殆ど報告が無い極めて稀な事象であり、本研究の結果はたいへん重要な知見であると言える。また、本研究の分子系統解析結果から、遺伝子解析を実施した各種間でその遺伝的構造は大きく異なっていることが明らかとなった。これは移動分散能力の違いを反映した結果であると考えられる。本研究でこれまでに得られている知見は、大陸および日本列島に棲息する複数種の水棲半翅類における遺伝的構造を明らかにし、さらに日本列島における水棲半翅類・水棲生物相の成立プロセス、および生物多様性創出の進化的背景を探る上で極めて重要であると言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子解析を実施した複数種で “back dispersal” を示唆する結果が得られており、日本列島の生物相形成史を探る上で極めて重要な知見を得ることが出来ている。

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果から、“back dispersal” というたいへん興味深い事象を検出することが出来ていることから、引き続きタイコウチ科類を対象として遺伝子解析を実施していく予定である。具体的には、これまでの遺伝子解析結果から考えられる今後の議論に重要となると地域、およびサンプル数の少ない地域での追加のサンプリングを実施し、採集したサンプルの遺伝子解析を行う。得られた結果から、分岐年代推定・レフュジア地域の検出を試み、種間比較を行うことで日本列島の水棲半翅類・水棲生物相の成立プロセス、および生物多様性創出の進化的背景を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 東アジア産タイコウチ科昆虫における系統地理学的研究2014

    • 著者名/発表者名
      谷野宏樹・三原龍太郎・鈴 木智也・東城幸治
    • 学会等名
      日本昆虫学会第74回大会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-09-16

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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