花粉を運ぶ送粉者と密接な関係をもつ花は様々な立体構造をしているが,その機能については長年にわたって謎であった。私は,送粉行動のスローモーション映像を解析し,それら花の立体構造が送粉効率に影響することを明らかにしてきた。本研究は,それらの成果に基づき,潜在的な花形質の変異,つまり,現在では観察されない変異を3Dプリンターの立体造形技術を用いて復元し,現在の形質と比較することで,その形質変異が淘汰された要因を明らかにする。 現在までに,送粉者が訪花できる立体的な花の模型作製を試みている。3Dプリンターの設定方法や3次元データの抽出方法などを推敲し,8月以降の花の開花期に合わせ,別の種類の花を用いて準備をすすめている段階である。
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