高度好塩古細菌由来の光走性シグナル伝達膜蛋白質、pHtrII (1-159) 蛋白質の全長構造は、その不安定さのため明らかになっていない。また細胞膜中で多重体として存在し機能すると考えられおり、その実体は不明な点が多い。そこで私は、自作の改変型大腸菌の無細胞蛋白質合成系を用いることで、pHtrII を安価に高効率で生産、重水素化し、ナノディスク上で溶液 NMR によるシグナルを観測することに始めて成功した。この結果、pH6.5 と pH7.0 および、界面活性剤存在下での溶液構造とナノディスク膜上での非界面活性剤存在下でのそれでは、pHtrII の立体構造が大きく違うことが判明した。
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