研究課題
動物の多細胞体制の進化・起源を分子レベルで解明するために、動物に近縁ではあるが単細胞の生活環を持つ「単細胞ホロゾア」の解析を行った。1、単細胞ホロゾアが持つ(1)細胞接着分子カドヘリン様分子、(2)細胞間連絡や接着にかかわるNotchおよびDelta様タンパク質、(3)各種細胞外マトリクスタンパク質、(4)臓器サイズの制御にかかわるHippoパスウェイ関連遺伝子、(5)細胞間連絡や細胞増殖にかかわるチロシンキナーゼの過剰発現コンストラクトを作成し、これらを単細胞ホロゾア二種(クレオリマックス、カプサスポラ)に導入した。これらをコードする遺伝子は、単細胞生物に存在すること自体が興味深い「多細胞的な」遺伝子であり、過剰発現させて細胞の形態や運動を観察することで、その機能を解析した。2、1で解析した遺伝子の中には、過剰発現させても全く細胞に異常が見られないものもあった。これらについては逆にノックアウト実験が重要であると考え、ゲノム編集の手法を取り入れた。本支援による学会への参加等を通じて、国内の第一人者と共同研究を進めることができた。また、細胞内の微細構造に異常が生じている可能性も考慮し、単細胞ホロゾアのアクチン、チューブリン、ミトコンドリア、細胞膜、小胞体のライブイメージングマーカーコンストラクトをそれぞれ開発した。3、単細胞ホロゾアへの形質転換効率を向上させるため、海外(スペイン)研究室との連携の深化を通じて(学生を初年度、次年度それぞれ一人ずつ派遣)、大幅な技術的改善を得ることができた。4、新たな単細胞ホロゾアモデル生物の確立に向け、ゲノム支援コンソーシアムと連携した。支援対象に採択され、新たに2種(スフェロフォルマ及びアメービディウム)のゲノム配列決定を進めることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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