本研究では、原子力災害からの復興をめざす福島県を対象に、地域内食料産業連関をめぐる損害の構造把握とその再構築に向けた課題を検討した。調査・分析の素材として主に次の2つを取り上げた。第1に、学校給食における地場産食材の調達に着目し、流通の視点から地産地消低迷の構造的問題を明らかにするとともに、その解消に向けたフード・コミュニケーションの重要性を提起した。第2に、協同組合間連携による大豆食品の地産地消の取り組みに着目し、原子力災害後の苦難と挑戦を描き出しながら、ローカルフードシステムの継続・発展モデルを提示した。
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