トマト果実の日持ち性は品質向上に寄与する重要な特性である。生産地域によって人口分布は偏るため、貿易による食料の地域間移動が不可欠である。日持ちが良い農産物の作出は、収穫後の流通・消費の各段階において損失を著しく減少させる。トマト果実の成熟にはエチレン生合成遺伝子群が深く関わることが知られているが、本研究では、トマト果実の日持ち性向上に関与することが示唆された遺伝子であるNOR 機能解析を通じてエチレン生合成の転写制御機構の解明に貢献でき、トマトの重要農業形質の一つである日持ち性を向上させることで、将来的に食糧の安定的かつ持続的な確保につながると確信している。
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