研究課題
27年度までに,AHX,ICA並びにAOHの,1) 植物体内における存在の有無の確認 (植物ホルモンである可能性の有無の確認),2) 他の菌における存在の有無の確認 (菌における普遍的存在の確認) とさらなる活性物質の探索,3) 生合成経路の解明,4) 代謝経路の解明を行った。① AHX,ICA,AOH等の植物や菌類における普遍的存在の証明AHXとAOHをオービトラップ型質量分析装置での最適なLC-MS/MS分析条件を確定し,イネとシロイヌナズナ抽出物からAHXとAOHが検出に成功した。その後,様々な生物種の内生を検討し,現時点において,種子植物15種,藻類3種,担子菌14種,その他の菌1種にAHXとAOHの内生を確認した。特に注目すべきは,世界の三大穀物であるトウモロコシ,小麦,コメ全ての可食部にAHXとAOHが内生していることである。ICAに関しても,その検出法が確立しつつある。この方法を用いて現在,各種サンプルの内生を検討しており,イネにその内生が確認された。このことは,今後,植物成長調節剤(農薬扱い)として開発するためには,人体に対する安全性の面(農薬は医薬に準じるデータが求められている)で,大きな利点となる。② AHX,ICA,AOH等の生合成経路や代謝経路の一部の解明AHX,AOH, ICAはいずれも共通の前駆体AICAから化学合成される。我々は,AHX,AOH, ICAの生合成経路も,この化学合成経路と同じあるいは極めて類似していると仮定した。何故なら,AICAは生物共通のプリン代謝経路上にあり,その後の代謝は不明であったからである。そこで,同位体ラベルACIAのイネとシロイヌナズナへの取り込み実験を行い,その仮説を証明した。また,フェアリー化合物の生合成・代謝酵素の精製を進めている。このことは本研究によって,植物の新しいプリン代謝経路を発見したことを意味する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
Biosci. Biotechnol. Biochem.
巻: - ページ: -
Jpn. Agric. Res. Quart.
巻: 49 ページ: 45-49
http://doi.org/10.6090/jarq.49.45
http://www.agr.shizuoka.ac.jp/c/biochem/achievement_choi.html