周術期における硬膜外鎮痛が免疫応答に与える影響について、腸管粘膜バリア機能に着目して研究を行った。Perfusion CTにより、硬膜外鎮痛は腹腔動脈は有意に拡大させ、十二指腸、膵臓の血流速度を有意に低下させた。また、術中の十二指腸および結腸組織におけるサイトカイン(IL-6、IL-12p35、IL-12p40)のmRNA発現量は、硬膜外鎮痛の有無による有意な違いは見られなかった。今回の研究から、周術期の腸管粘膜におけるサイトカインのmRNA発現は明らかな影響はみられなかったが、硬膜外鎮痛は腹腔動脈を拡張し、臓器血流速へ影響を与えたため、今後さらに長期間の影響を検討する必要があると考えられた。
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