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2014 年度 実績報告書

麹菌のエンドサイトーシスにおいて機能する新規AAA ATPase複合体の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26892022
研究機関九州大学

研究代表者

樋口 裕次郎  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50732765)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード麹菌 / Aspergillus oryzae / エンドサイトーシス / AAA ATPase / AipA
研究実績の概要

麹菌Aspergillus oryzaeは、日本の発酵・醸造産業上非常に有用な菌種、国菌であり、アミラーゼなどの有用タンパク質を菌体外に大量に分泌する能力を持つ。しかし、麹菌の細胞内小胞輸送経路に関してはまだよく解明されていないのが現状である。これまでの先行研究により、麹菌において大規模分泌を可能にするには分泌と対をなす過程であるエンドサイトーシスも重要であることが分かってきた。そこで本研究では、麹菌において初めて見出されたエンドサイトーシスにおいて機能するAAA ATPaseであるAipAを中心とした分子機構を明らかにし、真核生物におけるAAA ATPaseの新たな機能を提案することを目的としている。まず本研究において、AipAと相互作用するタンパク質の探索をyeast two-hybrid (YTH) スクリーニングにより行った。その結果、いくつかの候補タンパク質が挙がり、現在その再現性確認を行っている。さらにYTH法に加えて、AipAとの相互作用タンパク質の探索をGFP-Trap法によっても行う予定である。さらにin silico解析の結果、出芽酵母および分裂酵母において、AipAオルソログタンパク質とエンドサイトーシスに関連するエイソソームタンパク質との相互作用を見出した。そこで現在、AipAと麹菌におけるエイソソームタンパク質との相互作用をYTH解析により行っている。今後は、同定されたAipA相互作用因子の機能解析を麹菌内で解析することにより、AipAを中心としたエンドサイトーシス関連タンパク質のさらなる解析を行い、新規知見を生み出していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は当初の予定通り、YTHスクリーニングを実行し、いくつかのAipA相互作用因子の候補を見つけることができた。また、YTHスクリーニングでは見出されない可能性のある相互作用因子の探索としてGFP-Trap法の解析準備も進めている。さらにin silico解析によって、YTHスクリーニングで見出された候補とはまた別のAipA相互作用因子候補を見つけたため、現在YTH解析による確認を行っている。これまでのところ、概ね予定通り研究は進んでおり、実際に確認されたAipAと相互作用する因子の機能を麹菌において解明することで、エンドサイトーシスに関する分子機構の新規知見が見出されると期待できる。

今後の研究の推進方策

今後はYTHスクリーニングおよびin silico解析で見出されたAipA相互作用因子の同定を急ぐ。そして、AipAとその相互作用因子において、麹菌における細胞内局在を確認するとともに機能的関連について解析を進めていく。さらに、見出された新規知見に関しては、積極的に学会発表を行うとともに、論文投稿準備も進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 黄麹菌Aspergillus oryzaeにおけるAAA ATPase AipA相互作用因子の探索2015

    • 著者名/発表者名
      柿本健一、竹川 薫、樋口裕次郎
    • 学会等名
      第52回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2015-06-27 – 2015-06-28
  • [備考] 九州大学発酵化学研究室ホームページ

    • URL

      http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/hakko/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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