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2015 年度 実績報告書

セルロースナノファイバーの熱伝導特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26892027
研究機関立教大学

研究代表者

上谷 幸治郎  立教大学, 理学部, 助教 (20733306)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード熱伝導 / セルロース / シート材料
研究実績の概要

前年度に決定した熱拡散率測定の前処理法を用いて、様々な原料から作製したセルロースのシート材料について熱伝導特性を調査した。繊維が積層する厚み方向では熱拡散率が低く、面方向では高い熱拡散率が観測されたことから、繊維界面における熱抵抗が大きいことが示唆された。すなわち、シート中の繊維構造が伝熱特性に影響し、配向性が重要な要素であることが判明した。シート面方向における解析から、熱はセルロースの結晶を伝搬し、その太さに依存する傾向が明らかになった。最も太い繊維によるシートは、既存のプラスチックフィルムの約3倍高い熱伝導性を見出した。ラメラ結晶と非晶が混在する既存プラスチックフィルムに比べて、高い結晶化度を有する伸びきり鎖結晶のセルロースナノファイバーが熱を伝搬しやすい構造であることが示された。一方、不織シートにおける繊維間の空隙はナノレベルで小さいことが文献から予測された。そのため、シートに内包された空気を介した対流熱伝導はほとんど生じておらず、気体は断熱的であることが予想される。従ってセルロースナノファイバー製シートの熱伝導は、骨格であるセルロースの構造が大部分を担っていることが考察された。今回作製したセルロースナノファイバーによるシート材料は、これまで報告されている通り、熱に対する寸法変化が小さい低熱膨張材料であることが確認された。従来から断熱建材として利用される天然セルロース繊維をナノレベルまで微細化し、高密度のナノファイバーシート材料とすることで、熱伝導性と低熱膨張性を併せ持つ機能材料に変換できることが示された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Crystallite Size Effect on Thermal Conductive Properties of non woven Nanocellulose Sheets2015

    • 著者名/発表者名
      Kojiro Uetani, Takumi Okada, Hideki T. Oyama
    • 雑誌名

      Biomacromolecules

      巻: 16 ページ: 2220-2227

    • DOI

      10.1021/acs.biomac.5b00617

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Thermal conductive properties of nanocellulose materials2015

    • 著者名/発表者名
      Takumi Okada, Kojiro Uetani, Hideko T. Oyama
    • 学会等名
      The 2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
    • 発表場所
      ホノルル、ハワイ(アメリカ合衆国)
    • 年月日
      2015-12-19 – 2015-12-19
    • 国際学会
  • [学会発表] 天然由来の高熱伝導ナノファイバー材料2015

    • 著者名/発表者名
      岡田拓巳、上谷幸治郎、大山秀子
    • 学会等名
      第24回ポリマー材料フォーラム
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-11-27 – 2015-11-27
  • [学会発表] 高熱伝導性ナノセルロースシート2015

    • 著者名/発表者名
      岡田拓巳、上谷幸治郎、大山秀子
    • 学会等名
      成型加工シンポジア’15
    • 発表場所
      福岡大学(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2015-11-03 – 2015-11-03
  • [学会発表] ナノセルロース不織シートの熱拡散率における結晶子サイズ効果2015

    • 著者名/発表者名
      岡田拓巳、上谷幸治郎、大山秀子
    • 学会等名
      第36回熱物性シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2015-10-21 – 2015-10-21

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公開日: 2017-01-06  

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