研究実績の概要 |
前年度に樹立した低酸素遺伝子応答イメージングを可能にする担癌モデルマウスを用いた。腫瘍内分布の比較は、低酸素PETトレーサーとして18F-FMISOと64Cu-ATSMを使用し、低酸素遺伝子応答を反映するトレーサーとして125I-を使用した。その結果、18F-FMISOと125I-のオーバーラップ領域は、64Cu-ATSMと125I-のオーバーラップ領域よりも有意に大きかった(正常酸素下:14.3±3.4% vs. 6.3±2.8%, p = 0.0007、低酸素下:29.0±8.1% vs. 14.0±5.8%, p = 0.004)。また、低酸素PETトレーサー集積部位における125I-の集積領域の割合は、64Cu-ATSM における125I-の集積領域よりも、18F-FMISOにおける125I-の集積領域の方が有意に大きかった(正常酸素下:42.5±8.9% vs. 20.6±10.5%, p = 0.002、低酸素下:71.6±12.6% vs. 40.5±16.3%, p = 0.004)。以上から、18F-FMISOの集積分布の方がIMRTなどの治療計画の立案に適していることが示唆された。腫瘍集積量の比較は、低酸素PETトレーサーとして18F-FMISOと64Cu-ATSMを使用し、低酸素遺伝子応答を反映するトレーサーとして99mTcO4-を使用した。腫瘍集積量はSUVmaxで評価した。その結果、低酸素PETトレーサーのSUVmaxと99mTcO4-のSUVmaxは有意に相関していた(FMISO vs. Tc: r = 0.91, p = 0.0001、CuATSM vs. Tc: r = 0.74, p = 0.0005)。以上より、どちらのタイプの低酸素PETトレーサーのSUVmaxも、予後予測に有用な指標であることを明らかにした。
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