これまでの我々の研究から、歯原性上皮細胞においてNGFが低親和性受容体p75を介して細胞増殖を促進することが明らかとなっている。今回完全長p75およびp75細胞内ドメインを欠失させた発現ベクターを作製、それぞれを歯原性上皮細胞に遺伝子導入し、細胞増殖の比較を行った。その結果、完全長p75過剰発現細胞において、有意に細胞増殖が誘導された。これより、細胞内ドメインがNGF-p75シグナルによる増殖促進に必要であることが示された。また、NGFがp75に結合後のシグナル伝達経路について解析した結果、その下流においてERK1/2をリン酸化することにより細胞増殖シグナルを伝達していることが示唆された。
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