頭頚部がん患者の強度変調放射線治療および化学療法時に生じる有害事象で多く発症する口腔粘膜炎の対処法は確立されていない。そこで、口腔粘膜炎の発症の要因に挙げられる口腔内細菌叢の遺伝的な検索方法を検討した。検体中の細菌遺伝子を直接評価する方法を選択することで、従来の方法では培養しにくい細菌についてもその量を定量することができ、従来の方法に比べ正確な細菌叢全体を把握することができる。 これにより、頭頚部がん患者の治療開始前、治療中後の正確な細菌叢を比較でき、口腔粘膜炎の発症の要因の一つと考えられる口腔細菌叢との関連が明確となり、口腔粘膜炎の発症・憎悪因子とそのメカニズムへの解明の一助となる。
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