ユビキチン転移酵素ITCHは、Thioredoxin-interacting protein(TXNIP)をユビキチン化し、タンパク質分解を促した。TXNIPは酸化ストレスとアポトーシスの増悪因子である。培養心筋細胞において、ITCHを過剰発現し、TXNIPを強力に抑制することで、活性酸素種刺激に対して、酸化ストレスやアポトーシスを抑制した。更に、心筋特異的ITCH過剰発現マウスを用いて、ドキソルビシン心筋症や急性心筋梗塞モデルを検討したところ、心保護効果や生存率の改善を認めた。ITCHは、酸化ストレスやアポトーシスの内在性調節因子であり、新たな治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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