Abl チロシンリン酸化酵素の恒常活性型変異は慢性骨髄性白血病 (CML) の原因となる。我々は、Ablによるチロシンリン酸化が、グローバルヒストン脱アセチル化を伴い、ヒストン脱アセチル化酵素1を安定化させることを見出した。また、JAK2 チロシンリン酸化酵素の恒常活性型変異体JAK2V617Fは骨髄増殖性腫瘍 (MPN) 患者で見られるが、JAK2J617Fがポリコーム抑制複合体 2と協調して、ヒストンH3リジン27 トリメチル化やアセチル化を制御することが分かった。以上で示したチロシンリン酸化酵素によるヒストン修飾制御がCML や MPN において重要な役割を担っているものと考えられる。
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