研究課題
本研究では,癌部,非癌部の肝細胞癌症例,臨床凍結組織検体を用いて,肝細胞癌の網羅的クロマチン構造解析を行った.具体的には,凍結組織検体の組織粉砕およびホルマリン固定のステップを最適化し,FAIRE-seq (Formaldehyde-Assisted Isolation of Regulatory Elements followed by next generation sequencing) により,症例ごとにヌクレオソーム・フリー領域を同定した.さらに,exome sequencingによる網羅的遺伝子解析の結果から,肝細胞癌におけるドライバー遺伝子が,ヌクレオソームフリー領域に及ぼす影響に注目し,遺伝子変異ごとに特異的なヌクレオソーム・フリー領域を同定した.その結果,CTNNB1変異症例において,癌特異的なヌクレオソームフリー領域の抽出に成功した.さらに,培養細胞(HepG2)のChIP-seq (Chromatin Immunoprecipitation followed by next generation sequencing ) の結果から,これらの領域にCTNNB1の結合があることが確認された.これらの結果から,CTNNB1の新規新規標的遺伝子候補が同定され,現在RNA-seqによる遺伝子発現データから,候補遺伝子の発現変化を確認し,主要遺伝子候補を抽出している.また,多数の肝細胞癌症例を用いた免疫組織化学的検討により,候補遺伝子のタンパク発現の有無や,その臨床病理学的特徴の抽出を試みている.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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