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2015 年度 実績報告書

造血器腫瘍におけるSETBP1変異体の機能解析と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 26893051
研究機関東京大学

研究代表者

井上 大地  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (80735746)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード骨髄異形成症候群 / 急性骨髄性白血病 / エピジェネティクス / 形質転換 / TGFβ
研究実績の概要

骨髄異形成症候群(MDS)は予後不良な疾患であり急性骨髄性白血病(AML)に形質転換することが知られているが、その詳細なメカニズムは十分に解明されていない。申請者はこれまでに作成したASXL1変異体を用いたMDSモデルマウスを用いて、MDSクローンがSETBP1遺伝子変異を獲得することで形質転換することを臨床サンプル、ならびに細胞株・マウスを用いた実験により明らかとした。また、病態メカニズムを明らかにすることで新たな治療ターゲットの可能性を示した。本研究により明らかにした概要は、(1)SETBP1変異はMDS検体においてASXL1変異MDSと有意に共存し統計学的に優位な予後不良因子でありAMLへの形質転換に関与する。(2)細胞株を用いた実験でSETBP1変異はアポトーシス抑制、分化抑制に寄与する。(3)マウス骨髄移植モデルによりASXL1変異/SETBP1変異双方を発現した造血幹細胞はMDSではなくAMLを惹起する。(4)そのメカニズムとしてPP2Aの抑制、HOAX遺伝子の発現誘導、TGFβシグナルの抑制の3つが複合的に関与していることを示した。
これらの知見は、MDSからAMLへの形質転換のメカニズムの一端を示しただけでなく、きわめて予後不良である形質転換後の治療ターゲットとなりうるパスウェイを同定した点で今後大きな発展が期待される。そのためにはさらに詳細なメカニズムの解析が必要であるが、申請者のこれまでの研究内容からヒストンアセチル化の観点からの治療応用が望まれる。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Truncation mutants of ASXL1 observed in myeloid malignancies are expressed at detectable protein levels.2016

    • 著者名/発表者名
      Inoue D, Matsumoto M, Nagase R, Saika M, Fujino T, Nakayama KI, Kitamura T
    • 雑誌名

      Exp Hematol

      巻: 44 ページ: 172-176

    • DOI

      doi: 10.1016/j.exphem.2015.11.011

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] SETBP1 mutations drive leukemic transformation in ASXL1-mutated MDS.2015

    • 著者名/発表者名
      Inoue D, Kitaura J, Matsui H, Hou HA, Chou WC, Nagamachi A, Kawabata KC, Togami K, Nagase R, Horikawa S, Saika M, Micol JB, Hayashi Y, Harada Y, Harada H, Inaba T, Tien HF, Abdel-Wahab O, Kitamura T
    • 雑誌名

      Leukemia

      巻: 29 ページ: 847-57

    • DOI

      doi: 10.1038/leu.2014.301.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Novel roles of ASXL1 in epigenetic regulation2015

    • 著者名/発表者名
      Daichi Inoue, Sayuri Horikawa, Hirotaka Matsui. Reina Nagase, Makoto Saika, Kimihito Kawabata, Susumu Goyama, Toshio Kitamura
    • 学会等名
      ISEH 44th Annual Scientific Meeting
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府・京都市)
    • 年月日
      2015-09-18 – 2015-09-18
    • 国際学会
  • [備考] 東京大学医科学研究所北村研究室

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/clinical_oncol/result.html

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公開日: 2017-01-06  

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