研究課題
SScは、皮膚および内臓諸臓器の線維化を主徴とする膠原病であり、国の特定疾患(いわゆる難病)に指定されており、国民の健康を犯す重大な疾患である。内臓諸臓器の線維化として間質性肺炎を約60%の患者に認め、重症型の10年生存率は約60%とされており、新規治療法の開発が急務である。SScの病因は未だ解明されていないが、皮膚および内臓諸臓器の線維化は免疫機能が異常に亢進した結果もたらされると考えられているため、現在、免疫抑制薬を中心とした対症療法が行われている。しかし、このような免疫抑制薬には、大きな副作用を伴うため、たとえ疾患の改善がある程度見られたとしても、患者のQOLは著しく阻害されている。また、重症例では免疫抑制薬の投与にもかかわらず体幹の皮膚および内臓の硬化のために死亡することも多い。それゆえ、SScの病態生理の解明と、それに基づいた新規治療法の開発が切に望まれている。近年、研究代表者によってB細胞上のMHC class II (MHC II)とT細胞受容体(TCR)を介した抗原特異的反応が、インターロイキン(IL)-10などを介して自己免疫疾患の形成と進展に大きく関わることが示され、大きな注目を集めている(Yoshizaki A et al, Nature 2012; 491(7423):264-8)。そこで本研究ではSScモデルマウスを用いて、B細胞の抗原特異性がどのようにSScの病態に関与するかを明らかとし、新たな治療ターゲットの同定と、新規治療法の開発を行った。これまでB細胞の抗原特異性に注目したSScの病態解明は十分になされておらず、特に研究代表者によって開発されたtopo Iという明らかな自己抗原を用いたSScモデルは、本研究における適切な疾患モデルであり、これらの観点から極めて独創性の高い研究と言える。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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