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本研究では、在宅療養の質向上を目指した高齢がん患者のための経口抗がん剤導入プログラムを作成するための基礎調査として、以下の２点を目的に高齢がん患者に対する質問紙及び診療録調査を行った。まず、情報探索行動、情報源、情報提供ニーズを調査し、次に、経口抗がん剤の服薬アドヒアランスの関連要因の検討を行った。
結果として、高齢がん患者は、若年がん患者と比して情報探索を行わない傾向にあった。実際の情報源は、若年がん患者が幅広い情報源から情報を得ているのに比して、高齢者は限られた情報源に頼っていた。情報提供ニーズについては、治療開始前は身体的影響、治療中はリハビリテーション関連の情報を必要としていた。以上から、高齢がん患者が適切な情報を得るための支援が必要であり、若年がん患者との違いを考慮した情報提供方法を検討する必要性が示唆された。
また、服薬アドヒアランスについては、そのカットオフ値を100％とした場合、43.7％がノンアドヒアランス群であった。多変量ロジスティック回帰分析による服薬ノンアドヒアランスに関連する要因は、内服に対する優先意識の低下（OR=1.38）、痛みがないこと（OR=0.24）、下痢があること（OR=3.93）、症状悪化の不安による経口抗がん剤内服の自己中断歴があること（OR=9.75）、外来で経口抗がん剤を開始したこと（OR=4.10）であった。以上から、高齢がん患者に対して、外来での定期的な服薬アドヒアランスのスクリーニングを行い、服薬管理、副作用への支援につなげることの重要性が示唆された。
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