研究課題
1. EGFRシグナル伝達経路と水電解質輸送体の細胞内輸送との関わりの解明。アクアポリン2水チャネル(AQP2)の機能亢進を制御する経路としてあたらに発見されたepidermal growth factor resecptor (EGFR)のメカニズムの解明については、本研究代表者野村の前の研究室であるMGHのDennis BrownラボからJ Am Soc Nephrol.誌に発表された。この論文ではEGFR阻害剤であるElrotinibがAQP2のリン酸化を介してAQP2の機能制御に関わっていることを明らかとした。EGFR阻害剤がAQP2以外の電解質輸送体に対しても同様の効果があるかについては十分な検討は行えていないが、明らかな効果を示すことは難しいという印象である。2. カリウムによるNCCの制御機構の解明。この研究テーマについては当初の実験計画には含まれていなかったが、上述のように当初の計画実験がうまくいかなかった部分もあったため、新たな研究テーマとして実験を行った。当研究室で長年にわたり携わっている研究テーマとして腎臓におけるナトリウム・クロライド共輸送隊(NCC)の制御機構の解明があるが、その強みを生かし、カリウムによるNCCの制御について検討を行った。実験の背景としてこれまではNCCはその上流のWNK4-SPAKキナーゼによって制御されていること、低カリウム時にWNK4-SPAK-NCC経路が活性化することがわかっているが、高カリウム時については、諸説ありメカニズムも明らかではないということがある。特に塩化カリウムとクエン酸カリウムではNCCの反応が逆となるという現象が報告されている。今回、マウスにアニオンの異なるカリウム溶液を経口ゾンデを用いて投与するという実験を行い、急性カリウム負荷時にはアニオンの種類によらずカリウム負荷によってNCCが急速に(15分以内)に脱リン酸化することを明らかとした。そのメカニズムの詳細については現在検討中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of American Society of Nephrology
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