磁気共鳴画像(MRI)において、生体内金属による磁化率アーチファクトは大きな問題である。本研究では、歯科臨床における対応策として、口腔内の金属材料を二次的に反磁性材料で被覆することで、アーチファクトの低減を図る新手法(反磁性被覆材)を提案し、その効果について検証を行った。 歯科矯正用メタルブラケットを反磁性被覆材で被覆した「反磁性被覆材モデル」を作製してMRI撮像を行い、アーチファクトを三次元画像解析により評価した。その結果、反磁性被覆材の使用により、アーチファクトの形状・発生方向が中和され、到達距離や体積にも減少が認められた。本手法は磁化率アーチファクトの低減に有効であることが示唆された。
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