新規樹立した胆道癌細胞株(TYGBK-1、TYBDC)および既存の胆道癌細胞株の各薬剤(Gemcitabine、S-1、CDDP)に対する感受性を確認し、各々の薬剤耐性株を作成である。 マイクロアレイを用いたAQP関連遺伝子の網羅的解析では、miR-21及び他癌腫において予後やS-1薬剤感受性との関連を認めた8種のmicro-RNA発現を胆道癌においても解析中である。組織マイクロアレイ(TMA)による発現解析では、最初に、AquaporinファミリーのAQP-1の発現解析を行った。AQP-1は胆道癌の進展に関与していると考えられ、膜結合型ムチンであるMUC familyの発現と比較した。その結果、癌の悪性度や浸潤性発育に関連があると言われている膜結合型ムチンであるMUC-1発現とAQP-1との相関が認められ、両因子ともに癌の悪性度や浸潤性発育に関連があることが示唆された。組織マイクロアレイ(TMA)は、2011年以降の胆道癌において累積された臨床検体を用いて新たに作成中である。 癌におけるAQPの役割としては、増殖・遊走に大きく関わっているとこれまで報告してきたが、胆道癌症例において、黄疸によるAQP-1の発現低下を認め、胆汁うっ滞や、胆道癌の進展にAQP-1 が関与している可能性も示唆された。化学療法感受性の研究に関しては、現在新たな細胞株を作成中であり、新しく作成された細胞株、ヌードマウス移植株での解析を追加の予定である。
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