神経障害性疼痛モデル群は偽手術群と比較して覚醒時間の増加およびnon-REM睡眠時間の減少を認めた。また、偽手術群は三環系抗うつ薬アミトリプチリン投与による睡眠状態の有意な変化を認めなかったが、神経障害性疼痛モデル群では覚醒時間の減少およびnon-REM睡眠時間の増加を認めた。このことから、脳波を用いた睡眠の解析で、アミトリプチリンは神経障害性疼痛によって引き起こされた二次性の睡眠障害に対する改善効果を有すると考えられた。さらに選択的5HT2A受容体拮抗薬MDL100907はアミトリプチリンと同様に正常動物の睡眠時間に大きな変化を来さない投与量で、神経障害痛モデルの睡眠障害を改善させた。また、この睡眠改善効果は鎮痛作用を介していない可能性が示唆された。
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