研究課題
臨床的に家族性高コレステロール血症と診断した症例に対して、LDL受容体及びその関連蛋白遺伝子変異スクリーニングを行った。スクリーニングには我々が独自に考案したスキームを用いた(MLPA 法、HRM 法により簡便にスクリーニングする手法)。既知遺伝子変異が否定された4家系20名に対して全エクソームシークエンシング解析を行った。解析後はエクソーム領域に約10万個の変異が確認されたが、バイオインフォマティックス解析により、遺伝子変異の変異機能障害予測・変異の頻度・家系内の表現型との照らし合わせの3つのフィルターにより、責任変異の同定を試みた。4家系中1家系においてLDL受容体にミスセンス変異が確認された。スクリーニングで用いたHRM法でのプライマー設計の部位にやや問題があったことが要因の一つであると推定された。しかし残る3家系の解析においても、合理的な責任変異の同定には至らなかった。そこで、同様の解析を行っていた米国マサチューセッツ総合病院ヒトゲノム研究所Sekar Kathiresan博士を中心に国際共同研究を遂行し、同様の調査を行った41家系213例での解析を評価した(我々の家系も含む)。41家系中9家系において、責任変異の同定が可能であったが、新規責任遺伝子の発見には至らなかった。要因としては、非コーディング領域に責任変異が存在する可能性、ないしは、多遺伝子原性の可能性が示唆された(Stitziel NO, Tada H, et al. Circ Cardiovasc Genet. 2015 in press)。
2: おおむね順調に進展している
独自に考案したスキームにより概ね予定数の家系に対して全エクソームシークエンシング解析を行い得た。
さらに表現型の明確な家系に絞り同様の解析を遂行することを念頭においているが、全ゲノムシークエンシング解析まで発展させることも検討中である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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