膠芽腫は最悪性の脳原発希少がんであり、新しい治療法の開発が望まれている。最近、間葉系幹細胞が膠芽腫局所で抗腫瘍効果を示すことが報告された。我々はGSK3βのがん促進作用を発見し、その阻害による膠芽腫治療効果を実証してきた。近年、 GSK3β は間葉系幹細胞に抑制的に作用することが報告されている。そこで、膠芽腫細胞と動物モデルを対象に、 GSK3β阻害剤と間葉系幹細胞移植の治療効果を調べた。その結果、膠芽腫の幹細胞性腫瘍細胞に対する間葉系幹細胞の治療的作用はGSK3β阻害剤の併用により増強された。本研究の結果は、間葉系幹細胞移植とGSK3β阻害剤の併用による新たな膠芽腫治療法の開発に有用である。
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