• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

IgG4関連下垂体炎の自己抗原・自己抗体の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26893106
研究機関名古屋大学

研究代表者

岩間 信太郎  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (00733536)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード下垂体炎 / IgG4関連疾患 / IgG4関連下垂体炎 / 抗下垂体抗体
研究実績の概要

IgG4関連疾患は、さまざまな臓器でIgG4陽性形質細胞の浸潤を伴う全身性炎症性疾患として定義されている。IgG4関連疾患の一つとして下垂体炎が2004年に報告された。IgG4関連疾患の原因は不明だが、障害臓器にT細胞・B細胞の浸潤があること、HLAの特定の血清型や自己免疫と関連する遺伝子の一塩基多型と発症との相関があることから、発症において自己免疫機序の関与が考えられる。実際に、IgG4関連膵炎では自己抗原・自己抗体がいくつか報告されてきた。一方、IgG4関連下垂体炎における有力な自己抗原・自己抗体の報告はない。
本研究ではIgG4関連下垂体炎患者血清および臨床的に鑑別を要するコントロール疾患患者の血清を対照群として、蛍光抗体法による抗下垂体抗体の有無を評価した。その結果、17例中5例のIgG4関連下垂体炎患者血清中に下垂体特異的な自己抗体が存在することが明らかとなった。一方、コントロールとして検討した対照群17例では全例下垂体に対する自己抗体は認められなかった。次に、蛍光二重染色により抗下垂体抗体が認識する標的細胞を検討した結果、抗下垂体抗体は、特定の下垂体前葉ホルモン産生細胞を認識することが明らかとなった。
さらに、抗下垂体抗体のIgGサブクラスについて解析した結果、同定された抗下垂体抗体は全てIgG4サブクラスではない自己抗体であることが明らかとなった。このことから、IgG4関連疾患において上昇しているIgG4は、自己抗体として病態には関与しないことが示唆された。
IgG4関連下垂体炎患者血清血清中に認められた抗下垂体抗体を診断の補助に用いることは、非侵襲的であり、臨床において今後有用となる可能性が示唆された。今後、抗下垂体抗体が認識する標的細胞中の共通の自己抗原を明らかにすることは、新たな診断マーカーの確立および病態の解明につながると期待された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rabphilin-3A as a Targeted Autoantigen in Lymphocytic Infundibulo-neurohypophysitis.2015

    • 著者名/発表者名
      Iwama S, Sugimura Y, Kiyota A, Kato T, Enomoto A, Suzuki H, Iwata N, Takeuchi S, Nakashima K, Takagi H, Izumida H, Ochiai H, Fujisawa H, Suga H, Arima H, Shimoyama Y, Takahashi M, Nishioka H, Ishikawa SE, Shimatsu A, Caturegli P, Oiso Y.
    • 雑誌名

      J Clin Endocrinol Metab.

      巻: 100 ページ: E946 E954

    • DOI

      10.1210/jc.2014-4209

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] リンパ球性漏斗下垂体後葉炎の自己抗原ラブフィリン3Aの同定2015

    • 著者名/発表者名
      岩間信太郎、椙村益久
    • 雑誌名

      日本内分泌学会雑誌 JES News

      巻: 91 ページ: 157

  • [雑誌論文] 自己免疫性下垂体炎の自己抗原の同定と新規診断マーカー開発への挑戦2015

    • 著者名/発表者名
      岩間信太郎
    • 雑誌名

      総合保健体育科学

      巻: 38 ページ: 27

  • [雑誌論文] 下垂体炎の新規自己抗体の同定と臨床応用への挑戦2015

    • 著者名/発表者名
      岩間信太郎
    • 雑誌名

      最新医学

      巻: 70 ページ: 967 970

  • [学会発表] 尿崩症で発症した下垂体炎:臨床病理像、血中IgG4とRabphilin-3Aの相関2015

    • 著者名/発表者名
      西岡 宏, 井下尚子, 椙村益久, 岩間信太郎, 鈴木尚宜, 竹下章, 福原紀章, 岡田満夫, 竹内靖博, 大磯ユタカ, 山田正三
    • 学会等名
      第19回日本内分泌病理学会 学術総会
    • 発表場所
      佐賀
    • 年月日
      2015-10-24 – 2015-10-25
  • [学会発表] ヒトまたはラット下垂体切片を用いた抗下垂体抗体測定法の有用性に関する検討2015

    • 著者名/発表者名
      岩田尚子、岩間信太郎、椙村益久、中島孝太郎、竹内誠治、泉田久和、藤沢治樹、高木博史、有馬寛、大磯ユタカ
    • 学会等名
      第88回 日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-04-29 – 2015-04-29
  • [学会発表] イピリムマブによる二次性下垂体炎患者における抗下垂体抗体の解析2015

    • 著者名/発表者名
      岩間信太郎、Alessandra De Remigis、Patrizio Caturegli、椙村益久、大磯ユタカ
    • 学会等名
      第88回 日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-04-28 – 2015-04-28
  • [図書] New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 内分泌疾患 第3版2016

    • 著者名/発表者名
      岩間信太郎、椙村益久
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      日本医事新報社
  • [備考] 名古屋大学教員データベース

    • URL

      http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100007854_ja.html

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi