動脈硬化の終末像である大動脈瘤に対する外科的治療には限界があり、新たな治療法の開発が望まれる。本研究では、間葉系幹細胞(MSC)から産生されるエクソソームを利用した新たな大動脈瘤治療法の可能性を探った。In vitroでは、MSC由来エクソソーム添加によりマクロファージ中の炎症性遺伝子発現が低下した。in vivoでは、マウス大動脈瘤モデルにMSC由来エクソソームを静脈内投与したところ、生食群に比べエクソソーム群で瘤径の縮小、瘤存在率の低下、エラスチン変性分解の抑制、MMP-2, -9活性の低下がみられた。これらの結果から、MSC由来エクソソームによる大動脈瘤治療の可能性が示唆された。
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