研究課題
マウス飼育中に、1)腹腔内インスリン投与法ならびに腹腔内ブドウ糖投与法による耐糖能検査、2)上肢筋力検査、3)エコーによる心機能検査を実施した。<結果>1)食餌制限によって耐糖能は改善した。しかし、アミノ酸負荷によって耐糖能の改善効果が減弱した。アミノ酸量や組成の違いによる影響はなかった。2)食餌制限によって上肢の最大筋力は低下していた。しかし、アミノ酸負荷によって筋力は改善傾向であった。アミノ酸量や組成の違いによる変化はなかった。3)心機能検査では食餌制限によって心肥大が改善する傾向が見られた。アミノ酸量や組成の違いによる変化はなかった。<意義・重要性>本実験により、アミノ酸の量や組成の違いによる各種臓器への影響を評価した。上肢筋力はアミノ酸負荷群において改善したが、インスリン分泌能はアミノ酸負荷群で悪化する傾向があった。このように、アミノ酸の負荷が、食餌制限によって得られる細胞保護作用に与える影響は、それぞれの臓器によって異なっていた。さらに腎機能においては、食餌中のアミノ酸“組成”が大きく影響を与えていた。これらの結果より、アミノ酸の組成によって影響を強く受ける臓器とあまり影響を受けない臓器があることが示唆される。食餌中のアミノ酸が細胞内分子機構に影響を与えたとが考えられ、今後詳細な検討を進めていく必要がある。現在の食事指導や食事療法において、“総蛋白量”という概念で指導が行われているが、“アミノ酸の組成”について着目していく必要性が示唆される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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