研究実績の概要 |
今年度は予定通り再生不良性貧血(Aplastic Anemia, AA)10症例を蓄積した。末梢血からCD3陽性のT細胞分画を取り出し正常コントロールとして用いた。骨髄から抽出したDNAを腫瘍クローンと捉え、DNAを抽出しペアで全エクソン解析することが可能であった。 平均の読み取り回数は112回であり、10症例で全110個の体細胞性変異が確認された。これらにはPIGAなど再生不良背貧血で既報の遺伝子だけではなく、ASXL1やBCORなど骨髄系腫瘍で変異が報告されている遺伝子が含まれていた。一症例あたりの平均変異数は1.21個であり、塩基置換パターンとしては、加齢性変化に伴うようなCpG領域のCがTに変わるものが最も多かった。 今後、さらに全エクソン解析の対象となるような症例を蓄積することで、変異が同定される新規遺伝子が増えることが期待される。新たに同定された遺伝子については異なるコホートで標的シークエンス解析を行い、変異遺伝子の相関関係や予後などの臨床因子との関連について解析を行う予定である、
|