掻痒は生活の質を低下させる身体症状の一つである。特に既存の治療では効果が不十分な事から新規治療法の開発は緊要の課題である。 これまでにアトピー性皮膚炎(AD)患者や乾皮症患者では多数の知覚神経線維が表皮内に侵入し、増生する。そこで我々は、皮膚透明化(CUBIC)の手法を用い、様々なマウスアレルギー性皮膚炎モデルにおける皮膚内の末梢神経の動態を観察した。イミキモド誘発乾癬様皮膚炎モデルにおいても、病変部の表皮内に神経線維の増生を認めた。また、VEGF-Aが表皮内神経線維の増生を促し、乾癬モデルマウスにおける掻痒の病態形成に関与している可能性が示唆された。
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