血管内皮細胞におけるオートファジーの機能解明のため、血管内皮特異的オートファジー不全マウス(以下KOマウス)を作成したところ、糸球体係蹄にのみ異常を認めた。KOマウスは4週令で糸球体内皮に活性酸素種が蓄積し始め、8週令で糸球体基底膜の二重化およびメサンギウム基質の増生を呈した。KOマウスは貧血により9週令で死亡するため、骨髄移植を施し1年令まで観察したところ、腎機能低下、尿蛋白増加、糸球体硬化および間質線維化を認めた。ヒト糸球体内皮細胞でオートファジー関連因子Atg5をノックダウンすると内皮機能および生存率の低下を認めた。以上よりオートファジーは糸球体係蹄の統合性維持に必須であると考えられた。
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