糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症などの眼疾患は中途失明に関わる重篤な疾患であり、その発症および進行には虚血や病的血管新生が密接に関連することが知られている。本研究では、既存血管に存在し血管新生に中心的な役割を果たす特殊な血管内皮細胞を同定することにより血管新生を制御する新規治療法の開発を目指した。具体的には、フローサイトメトリーおよび蛍光標識モノクローナル抗体を用いてマウス血管内皮細胞の約1~3%を占める潜在的増殖活性を有する特殊な血管内皮細胞を同定した。またこのような細胞が特異的な遺伝子を発現し、生体内において血管新生に貢献することをトランスジェニックマウスを用いて解析した。
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