研究課題/領域番号 |
26893139
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
呉本 勝隆 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40734306)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | バイオフィルム / 根尖孔外バイオフィルム / 根尖性歯周炎 |
研究実績の概要 |
ラットの下顎第一臼歯に根尖孔外バイオフィルムを形成し、根尖孔外バイオフィルムが根尖病巣におよぼす影響を検索している。本研究で用いたモデルでは、根管充填材を根尖孔を越えて挿入することにより、根管充填材自体が細菌バイオフィルム進展の足場となり、根尖孔外バイオフィルムを形成する。このモデルでは、根尖孔外バイオフィルムだけでなく、根尖孔を越えて挿入された根管充填材も根尖病巣に何らかの影響を及ぼすことが考えられる。 そこで、根尖孔外バイオフィルムを形成した後、根管充填材を除去することにより、根管充填材の影響を排除した状態で、根尖孔外バイオフィルムが根尖病巣に及ぼす影響を評価することを目的とした。 根尖病巣のみ形成した群(NC群)、根尖孔外バイオフィルムを形成し、根管充填材を除去しない群(PC群)ならびに根尖孔外バイオフィルムを形成し、2週後に根管充填材を除去した群(実験群)のそれぞれの根尖病巣体積を経時的に測定したところ、露髄後8週においてPC群、実験群はNC群に対して有意に病巣体積が拡大したが、PC群と実験群の間に有意差は認められなかった。 このことから、根尖孔を越えて挿入された根管充填材は、根尖病巣体積については影響がないことが示唆された。この結果は、日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット臼歯の根尖孔を越えて挿入した根管充填材を除去することは、手技的に非常に困難であると考えられたが、顕微鏡治療用の器具(マイクロスコープ、OKマイクロエキスカ)を用いることで、安定して根管充填材を除去することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、根尖孔外バイオフィルムの存在下における根尖病巣周囲での免疫反応を組織学的、免疫組織学的に検索する予定である。
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