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2014 年度 実績報告書

象牙質接着におけるコラーゲン劣化プロセスの多面的評価と架橋形成の影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26893142
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 真理子  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30733969)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード象牙質 / コラーゲン / 劣化 / 酵素 / 透過型電子顕微鏡観察
研究実績の概要

歯科治療の良好な長期予後獲得のために、歯質-歯科用接着材界面の長期安定が望まれている。本研究では象牙質接着の経年的な低下の原因として、象牙質コラーゲンの劣化に着目し、コラーゲン劣化プロセスおよび象牙質接着能の多面的(形態的,物理的,生化学的)評価およびCross-Linkerによるコラーゲン架橋構造形成が及ぼす象牙質接着耐久性への影響確認を行うことを目的として行っている。
今年度は、酵素によるコラーゲンの劣化について、Cross-Linkerの効果を、コラーゲンの形態から評価するための実験を遂行した。ヒト象牙質を人工的に脱灰させ、5種類のCross-Linkerを様々な濃度にて作用させ、グルタールアルデヒド1%、5%、グレープシード抽出物1%、5%、リボフラビン0.1%、0.5%にUVA照射、スマック10%、リボフラビン5リン酸ンにUVA照射、クルクミン20μM、200μM、以上の10種類の条件下で試料を作製したもの、および人工唾液に浸漬したものをコントロールとし、それぞれの試料を、透過電子顕微鏡にて観察を行った。
観察の結果、コラーゲンの劣化と思われる構造の変化は認められるものの、試料の乾燥状態から、コラーゲンの微細な構造が捉えにくくなっており、それぞれのグループ間によるコラーゲンの形態変化の相違を捉えるまでには至らなかった。そこで、現在、新たに試料を作製し、試料の乾燥の検討を行い、コラーゲンの形態変化を再度得る試みを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コラーゲンの劣化状態の形態学的評価の手法は確立されておらず、現在模索しながら行っている。当初の手法ではコラーゲンの微細な構造を捉えることが困難であり、改善を加えながら行っていく必要があるため。

今後の研究の推進方策

Cross-Linker処理および非処理の象牙質に対して、透過型電子顕微鏡および電子線トモグラフィー法およびコラーゲン間架橋に対する抗体を用いた免疫電顕法にて、象牙質基質内コラーゲン線維における架橋の分布を評価することを継続的に行う。
また、Cross-Linker処理および非処理のヒト抜去歯の象牙質より脱灰処理経てタンパク質を三段階抽出法にて抽出を行い、タンパク質の定量を行った後、SDS-PAGE法にてタンパク質分子量から架橋形成を評価する。
その後、Cross-Linker処理とレジン接着処理を併用し、Cross-Linkerの影響を、接着試験および透過型電子顕微鏡観察を行って評価を行う予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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