凍結融解を繰り返して作成した壊死細胞上清はRNAを含む内因性の起炎因子であり、TLR3を介して歯肉上皮細胞(epi4)からIFN-betaを含む炎症性液性因子の産生を誘導した。さらに壊死細胞上清や強力なTLR3活性化を誘導するPoly(I:C)の刺激はepi4細胞におけるTLR2の発現を促進した。epi4におけるTLR2の発現亢進はTLR3刺激により産生されるIFN-betaにより誘導された。また壊死細胞上清は上皮のタイトジャンクション構成分子の発現を減弱させて上皮細胞のバリア機能を低下させた。これらの結果は内因性起炎因子が歯周病発症・遷延化・増悪に関与している可能性を示唆するものである。
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