研究課題
昨年度のPLAP-1-/- MEFsおよびMPDL22を用いた解析から、PLAP-1、FGF-2、およびFGF受容体(FGFR)の間に何らかの分子間相互作用があることが想定されたため、まず免疫共沈法を用いてPLAP-1とFGF-2とが直接結合しうるか否かについて検討を行いました。リコンビナントFGF-2タンパクと当研究室で作製したhistidine標識リコンビナントPLAP-1タンパクとの免疫共沈解析を行い、PLAP-1とFGF-2との結合が明らかとなりました。また、歯根膜においてFGF-2の受容体は主にFGFR1であることが示されていることから、PLAP-1とFGF-2、FGFR1との免疫共沈解析を行いました。その結果、PLAP-1を添加することで、FGF-2のFGFR1に対する結合量が増加することが明らかとなりました。すなわち、PLAP-1がFGF-2と結合することで、FGF-2のFGFR1に対する結合能が増強されることが示唆されました。そこで、WT MEFsにおいてPLAP-1とFGF-2の免疫細胞化学を行うと、PLAP-1およびFGF-2の共局在が示されました。さらに、WTおよびPLAP-1-/- MEFsにおいて、FGF-2とFGFR1との免疫細胞化学を行った結果、WT MEFsと比較してPLAP-1-/- MEFsにおいては、FGF-2とFGFR1との共局在部位が減少していることが明らかとなりました。以上の結果から、PLAP-1はFGF-2と直接結合することで、FGF-2のFGFR1への結合能を増強することが示されました。FGF-2を歯周外科治療時に歯槽骨欠損部に局所投与することで、歯周組織再生が誘導されることから、今後、本研究成果が細胞外基質とサイトカインを併用した新規歯周組織再生療法の開発につながることが期待されます。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Dental Research
巻: 94 ページ: 1417-24
10.1177/0022034515598507.