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2014 年度 実績報告書

トレランス誘導による自己抗原特異的な免疫抑制療法

研究課題

研究課題/領域番号 26893150
研究機関神戸大学

研究代表者

笠木 伸平  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (80457051)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワードGAD65 / 1型糖尿病 / 抗CD20抗体 / 制御性T細胞
研究実績の概要

I型糖尿病発症前のNODマウスに抗CD20抗体の投与に引き続いてGAD65抗原を投与するとGAD65抗原単独、抗CD20抗体単独で加療した場合と比較してI型糖尿病の進行が抑制された。その際にGAD65抗原に対する免疫反応は抑制されたが、他の抗原(卵白アルブミン/OVA)に対する免疫反応は抑制されなかった。このことから、抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法にて、GAD65抗原特異的な免疫反応が抑制されたと考えられた。

次に、GAD65抗原特異的な制御性T細胞が抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法により誘導されたかどうかを検討するため、CD4+CD25+陽性制御性T細胞を磁気ビーズで除去した脾臓細胞と除去しない脾細胞を同じ細胞数にそろえ、同じ濃度のGAD65抗原で刺激する実験を治療法の異なったマウス間で比較した。抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法群では、CD4+CD25+陽性制御性T細胞を除去した場合は除去しない場合と比較して著しいGAD65抗原特異的な免疫反応の亢進を認めたが、同様の傾向は他の群には認めなかった。以上のことから、抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法群のマウスの脾臓では、GAD65抗原に反応して免疫反応を抑制するCD4+CD25+陽性制御性T細胞が多数誘導されていることが推測され、このことはGAD65抗原特異的な制御性T細胞が抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法によって誘導されていることを間接的ではあるが証明していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H26年度の中間報告に記載したH27年3月31日までの研究実施計画に記載している計画内容に沿った内容のことはほぼ実施できていると考えるから。

今後の研究の推進方策

実験の再現性があるかどうかを確認するため、同様の実験を同じ方法で繰り返す。抗CD20抗体とGAD65抗原併用療法で1型糖尿病の進行を抑制する機構が他にもある(例えば、抗原特異的な制御性樹状細胞やB細胞の誘導)可能性があり、その可能性も考慮して、次回の実験においては解析項目を追加する。

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公開日: 2016-06-01  

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