研究課題/領域番号 |
26893152
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
荒木 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (50514650)
|
研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
キーワード | 整形外科 / スポーツ整形外科 / 前十字靭帯 / Lachman test / End point / 定量的評価 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、健常膝を用いて圧力センサー装着の至適部位を同定することを目的とし手研究を開始した。本システムは先行研究にて感圧導電性ゴム(NR65, 扶桑ゴム産業)による圧力センサーでのデータ検出を目指していたが、①装着部位によるデータ検出のばらつき、②計測前のCalibrationの必要性、③装着位置の回旋の影響から安定したデータ検出が困難なため、ひずみゲージを利用した圧力センサー(KFG-2-120-D16-23L3M2, 共和電業)を使用したシステムへと変更した。 プロトタイプでは圧力センサーを大腿骨側を把持する手には母指に、脛骨側を把持する手には示~小指に装着し計測を開始したが、Lachman test時に脛骨側小指にはほぼ圧力がかからないことを確認したため、最終的に大腿骨を把持する手には母指に、脛骨側を把持する手には示~環指に装着し、システムを構築した。本年度研究費にて、データ取得用パーソナルコンピュータ並びにロードセル、AD変換器等を購入させて頂き、予定通りのシステム構築が可能であった。しかしながらキャリブレーションに時間を要したため、計画していた、検者内・検者間誤差の検出、並びに三次元電磁気計測システムとの同期に関しては次年度以降へ繰り越す予定である。また、日本臨床バイオメカニクス学会へ参加させて頂き、Lachman test時のEnd pointの定量的計測に関する研究につき討議を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではひずみゲージを利用した圧力センサー(KFG-2-120-D16-23L3M2, 共和電業)を使用したシステムを構築し、平成26年度は、健常膝を用いてLachman test時のEnd pointの定量的計測を施行、検者内・検者間誤差の検出、並びに三次元電磁気計測システムとの同期を施行する予定であった。先行研究によりほぼ予定通りの材料を使用してシステムを構築することが可能であった。しかしながらひずみゲージ(ロードセル)の納入並びにこれらを使用したシステムの構築に時間を要したため、予定していた、検者内・検者間誤差の検出、並びに三次元電磁気計測システムとの同期は平成26年度内に終了することが困難であった。システム構築及びデータ検出に関しては研究協力者である福井大学大学院工学研究科長宗高樹准教授の協力もあり、安定したデータ検出が可能となっていることから、平成27年度に施行できる見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
前述の通り、平成26年度内に完了していない、検者内・検者間誤差の検出、並びに三次元電磁気計測システムとの同期をボランティア健常膝を用いて施行する予定である。続いて平成27年度に予定していた健常膝及び前十字靭帯(ACL)不全膝におけるEnd point定量的評価の比較を施行する予定である。ACL不全膝に対し、検者に本システムを装着した上でLachman testを施行する。ACL不全膝ではEnd pointは触知されず圧変化は単峰性となることが示唆されており、健常膝との圧変化を比較検討する。単峰性と二峰性の検知はEnd point触知時の圧変化を二回微分することで正方向の成分を検出することにより同定を行う。平成26年度での研究目標である「圧力センサー装着至適部位の同定」から鋭敏に圧変化を検出できる部位に圧力センサーを装着してデータ取得を行う予定である。また、本システムをBluetoothを用いてタブレット型PCと無線接続し、より臨床現場での使用が簡便なシステム確立を目指す。同一膝を用いて有線接続システムと無線接続システムのデータ解析を行うことにより、同様の正確性でデータ取得が可能であることを比較検討する。
|